残された時間で

こんなタイトルをつけたらまるで余命宣告を受けたようだけど、”学生”という肩書きを充分に使いこなせないまま手放してしまった今、”若者”という特権さえもいつしか失ってしまうのだと思うと怖くなる。

「いいよ、まだ若いから」

甘えかもしれないけど、そんな免罪符が社会で通用してしまう寿命はたぶんもうそこまできている。そういう意味では、ぼくたち若者にとってこの一瞬一瞬は、どこで働いているかとかどれだけ給料をもらっているかとかそんなもの関係なく、誰しもが平等に与えられた、何ごとにも代え難い”残された時間”と言えるんじゃないかなって。

この残された時間で自分は何ができるんだろう、そして何をしたいんだろう。

そんな終わりなき自問自答の最中、変わらずぼくの心を陣取っているのは、やっぱり先日の銭湯で出逢ったおじいさんの言葉だった。

やりたいことは全部する。まだまだ臆病な自分だけど、なるべく若いうちにそうするように決めている。

深夜12時、サーフボードをのせた友人の車に乗り込みぼくらは海を目指した。

真夜中のドライブ。それぞれが友だちに聞かせたい曲を車内で流し「すげーいい」とか互いに褒めあったり、自分の好きなことやものを熱弁したり逆にされたり、田舎のだだっぴろいコンビニの駐車場で煙草のけむり越しに見あげる星空だったり。そんなとき、「若いなー」って他人事のように思いながら、一方で自分が一番ほっとしていたりする。

流す音楽に困り出したころ、気づけば海岸線まですぐそこのところまで来ていた。夜の帳がはしっこのほうから開きかけてきていた。

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