2017.12.03 06:20映画『メッセージ』評、そこから展開して考えた「未来を記憶すること」の可能性についてかったるい前座(導入文章や映画紹介)は抜きにしていきなりレビュー突入。この作品は、未来予知に必ずしも力点が置かれてるわけじゃない気がする。
2017.02.13 03:29演じることについて(3)演技の多重性 前回は「二重の演技」と題して、実生活上と舞台上の両方で演技する役者について書いてみたんだけど、実際はさらに複雑だ。役者の意識は、もはや二重どころではない多重構造になっていると思う。どうしてなのかっていうと、役者は舞台上で自らが演じる役柄の実生活上の演技(前回の投稿でいう”やくしゃ”)もしなければいけないからだ。 現在興行中の『ロミオとジュリエット』のロミオ役を演じ...
2017.02.03 05:34演じることについて(2)二重の演技 ぼくらは毎日、無意識的にではあるけれど何らかの役を演じている。例えば職場の自分と、仲のよい友だちと居る自分とでは、物理的には同じ自分であるが精神的には違う自分が存在している。また、「職場」で上司と話すのと、「飲み会」で上司と話すのでは、同じ人物が相手でも状況や場所によって、やはり自分の性質は異ってくる。(職場と比べ、飲み会という場の方が上司に対しリラックスして接している自分...
2017.01.31 13:35演じることについて(1)ぼくは単純に映画やテレビドラマとの接触回数が多いばかりに、<演技>というものを機械的にそれらと結びつけ過ぎていた。考えてみれば当たり前なのだけれど、演技というものは何も映画やドラマに出演する役者の専売特許ではない。<演技>を、肉体を駆使したパフォーマンスアートという広い枠組みで捉えてみれば、演劇はもちろん、オペラやダンス、音楽、バレエ、大道芸、漫才など実に様々なものを含んで...
2017.01.17 14:50ある映画をみて感じたこと先日、友人に誘われてある映画を観に行ってきた。1976年にデビッドボウイ主演で製作された『地球に落ちて来た男』という作品。デビッドボウイが亡くなってから1年、その追悼記念として神戸のアートビレッジセンターにて再上映されたのだ。 次に、本来であればこの映画のストーリーを、結末は明かさない程度にここで紹介することが、映画をわざわざこのような場所で取りあげる上での定石だと思うのだけ...
2016.12.11 15:10日本のファッション誌について蔦屋書店で国内外の雑誌を漁っていると、日本のファッション誌の異質さに気づく。海外ファッション誌は、ビジュアルを多用しその雑誌ならではの世界観丸出しで、「見せる」内容という意味では、アートブックさながらの様相を呈している。一方、日本のファッション誌は、ファッションの装い方、例えば「袖捲りは、◯回折り返す」「ゆったりしたシルエットのボトムスを選ぶなら、トップスはコンパクトにしAラインを演出し、云々」な...
2016.12.04 15:08小津映画の違和感を紐解くみんなは小津安二郎の映画を見たことがありますか。昭和を代表する映画監督らしいのですが、自分が初めて小津映画を見た時は、違和感を感じまくりでした。母から「淡々とした映画だよ」ってことだけは事前に言われていたので、それは覚悟していました。でも、それ以外にも何かと違和感ポイントがたくさんありました。そんないくつかの違和感のなかでもひとつ取り上げたいのが、整然とした構図や短い簡単なセリフの繰り返し、奇をて...
2016.11.18 15:49森のリッラクス効果と抽象絵画森や林を見ているだけでリラックス効果があるというけど、一面を絵の具で覆われた抽象絵画にもそれがあるという説。遠景で森を見たときのモジャモジャ感(無数の葉っぱや枝がつくる迷彩柄)は科学的に数値化できるらしく、森のモジャモジャ感と一面絵の具まみれの抽象絵画のモジャモジャ感の数値は似ている。従って、訳の分からん抽象作品に心奪われるのは、人間が自然に惹かれるのと同じ原理。ってのをずっと前テレビでやってたの...
2016.09.21 14:54星野道夫の『旅をする木』海はしょっぱい。そんなこと知っていたけど、ぼくにとって、それはあくまでしょっぱい「らしい」ということでしかなかった。サーフィンをして自分の顔面を海面に叩きつけるように転んだとき初めて、自らの感覚として海がしょっぱいことを感じた。知識が感覚に、そして体験に変わった瞬間だった。そんな些細なことから、自分に視覚が備わっていることに感謝せずにはいられなくなるようなきれいな朝焼けを見て、ぼくはその日から何と...
2016.08.10 14:34読まれる文章ぼくが政治や報道、文章を書くことに興味を持ったきっかけの一つは、ニュージャーナリズムという60年代のアメリカで生まれたジャーナリズムの新しいスタイルを知ったことでした。それは、雑誌ポパイのコラムを読んでいるときにふと目にしたワードでした。それから、ぼくは本屋や図書館、ネットでニュージャーナリズムについて探るようになりました。そもそもニュージャーナリズムといのは、(定義が様々な場合もあるようですが)...
2016.07.25 14:32好きなアートの見分け方少し前神戸新聞で哲学者の鷲田清一氏は、美術作品とそれが飾られる空間の関係性についてこう述べています。”無記の空間(多くの美術館のホワイトキューブ的なまったくのニュートラルな空間)それ自体が美術作品の「額」になっている。そこに何かを置けばそれだけで作品っぽくなる。”普段美術館でみる作品、それが友人の家に飾られていたなら、高校の美術室の乱雑に並べられた作品群のなかにぽつんと置かれていたなら。そんな風に...
2016.06.26 14:25アートをどうやって読み解くかアートの楽しみ方って、いく通りもあると思うんです。今回は前回の投稿とは翻って、理解する・読み解く楽しさも、アートにはあることを書きたいと思います。アートに対し単純に美しさを求めるだけでなく、作品が示唆するものを解釈する楽しさを知ったのは、大学の講義においてでした。そのアートの講義で紹介されたのが以下の作品。