言葉の虜
「好き。」「美味しい。」「おしゃれ。」「かわいい。」「何か良いね。」
ぼくたちはいつも自分の感情を、こんな言葉たちでラッピングして相手に送る。
でも、そのラッピングは解かれることなく、若干消化不良のまま相手の頭を素通りしていく。
「好き。」「嫌い。」とかそんな簡単な形容詞でしか
自分を伝える方法を知らないから、
複雑で入り組んだ感情は、その半分もたぶん相手には伝わらない。
「好き」っていう言葉の意味以上に、誰かや何かのことが好きでも、
それを表現する言葉を知らず、もどかしくなるときがある。
「好き。」「嫌い。」
こんな形容詞は、必要以上に自分の感情を覆い尽くしてしまうから、
相手は、その言葉自体は理解してくれても、細かな感情までは読み取ってくれない。
もちろん、ぼくも正確には読み取れない。
だから、何が言いたいかって、言葉って難しい。
形があるようでないともいえる感情を、半ば無理やり、
定型の枠(言葉)にはめ込まなくてはいけないから。
でも、だからこそ、言葉の難しさがある場所に、
小説や詩の素晴らしさが同居している。
自分が抱いたことのある複雑で繊細な気持ちを
、小説や詩は代弁してくれる。言語化してくれる。
自分でもよく分からなかった自分の感情を、
小説や詩の方から歩み寄ってきて、それを教えてくれる。
そんな言葉との素敵な出会いを増やしていって、
言葉と感情とのギャップを少しでも解消できたらなって思います。
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